パパの休日のBGM

漸-ZEN-

漸-ZEN-

DJ KRUSHのアルバムの中でも、このアルバムは非常に聞きやすい。これは2001年の作品だが、それ以前のアルバムはもっと実験的で「通ウケ」するが混沌とした部分が多く聞きにくい。
このアルバムは、いろんなアーチスト(主にラッパー)をフューチャリングしている。日本のラップシーンでは9曲目のCandle Chant(A Tribute)(featuring BOSS THE MC)が名曲だと取りだたされる。ディープでリアルなリリックと渋いブローはホントそんじょそこらのJ−RAPとは一線をきす。
海外からの参加アーチストも豊富。このアルバム3曲目に参加している「ZAP MAMA」をかなりプッシュ。アカペラグループなのだが、いわゆるポピュラーミュージック的アカペラではなく、今風なボイスパーカッションは聞けない。めちゃアフリカンボイパ。アフリカンといってもヨーロッパ育ちの2世で、土臭い感じと都会的感じと持ちあわせ面白い。このアルバムの中でも、独特のZAP MAMAらしい歌声&コーラスが聞こえる。
ZAPMAMAは1991年ベルギーからデビュー。当時、輸入盤を買いあさっていた自分はZAPMAMAのデビューアルバムをジャケ買いして、柔らかいパンチを連打され打ちのめされた記憶がある。DJ KRUSHのアルバムでZAP MAMAに出会えるとは予想外だったし、自分の中でかなりヒットした。
Vol. 1-Adventures in Afropea

Vol. 1-Adventures in Afropea

↑2005年に再発されたデビュー盤。これはベルギーでのデビュー盤を1993年にUSリリースで再編集したアルバム。ベルギーのオリジナル盤の方が一曲多くてジャケットも良いです。このUS盤のジャケはイケイケギャル(死語)のようでいただけません。

  • -

ついつい ZAP MAMA の事ばかり書いてしまった。
DJ KRUSHのアルバムの良さはドラムとベースの音作りの良さにある。個人的な好みだが、タイトでループ感のあるドラムと重みと奥行きのあるベースがかなりハマル。あとの音は全て「ウワモノ」扱い。空間系ウワモノで結構遊んでいる所も面白い。
ちなみにCD発売直後の雑誌のコメントで読んだが、US録音の際、日本で作りこんだトラックはデータがクラッシュして使えなく、急きょ現地で即席トラックを作り録音したらしい...。
なのでこのアルバムは割と簡単に仕上げたらしいヨ。